点検整備記録の正しい書き方

「点検整備記録」の書き方と実施タイミング

点検整備記録は、長期的な機体のコンディションを証明するものです。

メーカー指定の推奨時間がある場合はそれに従い、指定がない場合は航空局マニュアルに基づき「20時間飛行ごと」の定期点検が必須となります。

総飛行時間の起算点(法的精緻化)

累積時間の記入ミスは、オーバーホールの時期を誤らせる原因となります。

  • 機体認証を受けている場合: 「前回の機体認証に係る検査(または予備検査)を受けた際の点検整備以降」の時間を記入。
  • 機体認証を受けていない場合: 初回飛行からの累計。部品交換等を行っても登録記号が変わらない限りリセットされません。

専門家が推奨する記入例と作法

点検整備記録では、後からの追記(改ざん)を疑われないよう、「1行飛ばしで記入し、空行には『〆』マークを記す」のがプロフェッショナルの作法です。

1. 定期点検の実施

  • 内容:飛行20時間に達したため、指定項目に基づき全般を点検。異常なし。
  • 理由:飛行マニュアルに基づく定期点検。

2. 部品交換

  • 内容:第3モーターおよびプロペラ1枚を純正新品に交換。
  • 理由:日常点検において軸のブレと異音を確認したため。

3. 改造・機器取り付け

  • 内容:機体下部に〇〇社製赤外線カメラ(型番:ABC-123)を固定。
  • 理由:インフラ点検業務における夜間熱源探査対応のため。

5. 飛行日誌の管理・運用における共通ルール

安全管理のプロとして、以下のチェックリストを遵守してください。

  • 機体ごとに独立させる: 3台保有していれば「3セット(9つの書類)」が必要です。
  • 継続保管: 機体の登録期間中、および抹消後も一定期間の保管が推奨されます。
  • 使用者変更時の引き継ぎ: 売却時などは、総飛行時間、日常点検、点検整備の全記録を新利用者に渡す義務があります。 筆記具の指定: 紙の場合は黒または青のボールペンを使用(消せるペンは不可)。
  • 電子データのオフライン携行: 電子記録の場合、電波の届かない飛行現場でも提示できるよう、事前にダウンロードしたPDF等を端末に保存しておく必要があります。

6. 記録業務を効率化するためのツールと相談先

適正な運用を継続するには、ITツールの活用が最も現実的です。

  • 国土交通省公式テンプレート: 基本となる様式をダウンロードして活用できます。
  • 行政書士への相談: 「この飛行は特定飛行に該当するか?」「記録の内容に不備はないか?」といった法務判断には専門家の知見が欠かせません。行政書士の顧問サポートを受けることで、万全のコンプライアンス体制を構築できます。

正しい飛行日誌の運用こそが、あなたのドローンビジネスと安全を守る最大の盾となります。