【2026年最新】ドローンの飛行計画の通報ガイド

1. 飛行許可を取っただけで満足していませんか?

ドローンを飛行させる際、国土交通省から「飛行許可・承認」を取得して準備万端だと考えている方は非常に多いのが現状です。しかし、専門家の視点からお伝えすると、許可・承認はあくまで「飛行する権利」を得たに過ぎません。

航空法(第132条の88)に基づき、人口集中地区(DID)や夜間、目視外などの「特定飛行」を行う場合には、飛行のたびに事前に「飛行計画の通報」を行うことが義務付けられています。

「通報とは具体的に何をすべきか?」「忘れるとどのような罰則があるのか?」といった疑問を抱く初心者の方も多いでしょう。この記事では、行政書士レベルの正確な法的知識に基づき、DIPS2.0での具体的な手順から法的リスクまでを徹底解説します。

この記事で解決できること:

  • 飛行計画の通報と飛行許可申請の法的な違い
  • 100g未満の機体を含む、通報が必要なケースの正確な判断
  • DIPS2.0での詳細な入力項目(高度、速度、保険情報など)の解説
  • 罰則を回避するための「24時間前ルール」と「終了報告」の徹底方法

2. 飛行計画の通報とは?飛行許可申請との決定的な違い

飛行計画の通報とは、他の無人航空機や有人機との衝突を防止し、空の安全を確保するために飛行予定を事前に国へ届け出る手続きです。

「飛行許可・承認申請」が事前の「免許」のような位置づけであるのに対し、「飛行計画の通報」は実際の「走行ルートの事前申告」に当たります。以下の比較表で、その性質の違いを正確に理解しましょう。

比較項目飛行許可・承認申請飛行計画の通報
法的根拠航空法第132条の85など航空法第132条の88
タイミング飛行の2〜3週間前(審査が必要)飛行開始の24時間前まで(義務)
審査の有無あり(約10開庁日)なし(システムへの通知のみで即時受理)
目的特定飛行の許可を得るため衝突防止のため関係者へ周知するため
終了報告不要必須(終了報告が必要)
手数料無料無料

💡 専門家のアドバイス: 許可証(包括申請など)を持っている場合でも、特定飛行を行う際には飛行のたびに「24時間前までの通報」が法律で義務付けられています。


3. 通報が必要なケース・不要なケースの判定

通報の要否は、その飛行が「特定飛行」に該当するかどうかで決まります。また、100g未満の機体についても、航空法以外の観点から注意が必要です。

通報が必要なケース(特定飛行)

以下のいずれかに該当する飛行を行う場合は、事前の通報が必須です。

  • 空域による制限: 人口集中地区(DID)、空港等周辺、150m以上の上空、緊急用務空域
  • 方法による制限: 夜間飛行、目視外飛行、人・物件から30m未満の距離での飛行、イベント上空での飛行、危険物輸送、物件投下

通報が不要なケース(または例外)

  • 特定飛行に該当しない飛行: DID外の場所で、日中に、目視内で、人・物件から30m以上離れて飛ばす場合。
  • 100g未満の機体: 航空法第132条の88の対象外となるため、本制度に基づく通報義務はありません。

⚠️ 100g未満の機体に関する重要警告: 100g未満であっても、「空港周辺」「緊急用務空域」「小型無人機等飛行禁止法(政府施設、防衛施設等)」の規制は適用されます。これらに該当する場所で飛ばす場合は、別途手続きや連絡が必要となるため、航空法対象外だからといって全ての規制が無効になるわけではありません。


4. 事前準備:DIPS2.0で通報前に済ませておくべき設定

通報を行う前に、DIPS2.0のメインメニューから以下の情報を登録済みであることを確認してください。これらが完了していないと通報メニューに進めません。

  1. 無人航空機情報の登録: 飛行させる機体の製造番号や機体登録記号が正しく登録されていること。
  2. 操縦者情報の登録: 操縦者の氏名、住所、およびこれまでの飛行実績(時間や回数)が最新の状態であること。

アクセス手順: DIPS2.0ログイン後、ダッシュボードの「飛行計画の通報・確認へ」をクリック。遷移先のメニューにある「無人航空機情報の登録・変更」および「操縦者情報の登録・変更」から登録状況を確認してください。


5. 【図解ステップ】DIPS2.0での飛行計画の通報手順

実務上、DIPS2.0での通報は以下の5つのステップで詳細に入力する必要があります。

  1. STEP 1:新規通報の開始 「飛行計画通報メインメニュー」の「飛行計画の登録」から「新規通報」を選択します。
  2. STEP 2:飛行経路・範囲の設定(地図操作) 地図上で飛行予定エリアを指定します。
    • 画面上の「四角形」などの描画ツールを選択(シンプルで漏れがない四角形を推奨)。
    • エリアの四隅を順にクリックし、最後の点でダブルクリックをすると範囲が確定します。
    • 専門家Check: マップ上で「緊急用務空域」や「有人機離発着エリア」のレイヤーを表示し、他者の飛行計画と重複がないか必ず確認してください。
  3. STEP 3:飛行情報の詳細入力 以下の項目を漏れなく入力します。
    • 飛行日時: 開始・終了日時を入力。必ず24時間前までに送信すること。
    • 機体・操縦者: 登録リストから選択。
    • 出発地・目的地: 地名や固有名称を入力。
    • 飛行速度と高度: 最大飛行速度(km/h)と、地表からの最大対地高度(m)を入力。
  4. STEP 4:特定飛行と許可番号の紐付け
    • 飛行目的・方法: 空撮、点検、夜間、目視外など該当項目をチェック。
    • 飛行許可番号: 取得済みの許可承認書番号を選択または入力。
    • 保険情報: 加入している保険の内容(賠償責任の有無など)を入力します。未加入の場合はその旨を正直に記載してください。
  5. STEP 5:最終確認と送信 連絡先情報を入力し「登録」をクリック。最終確認のポップアップで「OK」を押すと即時受理されます。

6. 飛行後に必須!「終了報告」のやり方と重要性

飛行計画の通報は、飛行が終わった後の「終了報告」までが法律上のセットです。

終了報告の手順:

  1. DIPS2.0の「飛行計画一覧」から、該当する計画(ステータス:飛行中または通報済み)を選択。
  2. 「終了報告」ボタンをクリックし、実際の飛行時間を入力して送信します。

重要: 終了報告を忘れると、システム上で「まだ飛行中」とみなされ続け、他の操縦者から空域が塞がっているように見えてしまいます。また、報告漏れが重なると次回の飛行計画の通報に制限が出る可能性があるため、飛行当日中に報告を完了させることを強く推奨します。


7. 通報を忘れた場合の罰則とよくある間違い

飛行計画の通報は努力義務ではなく、刑事罰を伴う法的義務です。

厳重警告:通報義務違反の罰則 通報をせずに特定飛行を行った場合、航空法第157条の10に基づき30万円以下の罰金が科せられます。さらに、悪質な場合や重大な危険を招いた場合は、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

初心者が特に陥りやすい「通報の間違い」をまとめました。

よくある間違いと落とし穴

  • 「24時間前ルール」の誤解: 「明日の朝飛ばすから、前日の夜に登録すればいい」というのはNGです。飛行開始の24時間前までに通報を完了しなければなりません。
  • 包括許可による免除の勘違い: 「1年間の包括許可を持っているから、毎回の通報はいらない」というのは大きな間違いです。許可があっても、個別の飛行ごとの通報は不可欠です。
  • 地図指定の曖昧さ: 飛行エリアを正確に囲っていない場合、通報が有効とみなされない、あるいは有人機との衝突リスクを招く恐れがあります。

8. Q&A:飛行計画の通報に関するよくある質問

Q. 飛行計画の通報を忘れて飛行してしまった場合は? A. 通報なしでの特定飛行は、その時点で航空法違反となります。気づいた段階で速やかに通報操作を行ってください。ただし、通報が受理されるまでは飛行してはいけません。

Q. 天候悪化などで飛行をキャンセルした場合は? A. 飛行しなかった場合、DIPS2.0から通報を取り消すか、あるいは「飛行なし」として終了報告を行ってください。これを怠ると、空域が不当に占有された状態になり、他者の迷惑となります。


9. まとめ:安全な飛行のために「24時間前の通報」を習慣に

ドローンをビジネスや趣味で継続的に運用するなら、飛行計画の通報は避けて通れない最重要ステップです。以下のチェックリストを常に意識してください。

  • 特定飛行を行う際は、必ず「飛行開始の24時間前」までに通報を済ませる
  • 地図上で「緊急用務空域」などのレイヤーを確認し、衝突リスクを回避する
  • 高度、速度、保険情報など、正確な機体・飛行情報を入力する
  • 飛行が終わったら、当日中に必ずDIPS2.0から「終了報告」を行う

「許可申請」が通った後こそ、プロとしての自覚が問われます。空の安全を支える当事者として、飛行前24時間以内の通報と飛行後の終了報告を確実に行いましょう。