ドローンを業務や趣味で安全に、そして合法的に活用するためには、法律に基づいた手続きが欠かせません。その中心となるのが、国土交通省が運用するオンラインシステム「DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0)」です。
本記事では、ドローン法務・申請手続きの専門家の視点から、2026年現在の最新ルールに基づき、初めての方でも迷わずに登録を完了できる手順を徹底解説します。
1. 導入:ドローン飛行に必須の「DIPS2.0」とは?
DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0)とは、国土交通省が提供する、機体登録や飛行許可申請、飛行計画の通報などをオンラインで一括管理するためのシステムです。
2022年6月の航空法改正により、100g以上の機体の登録が法律で義務化されました。この登録を行わずに屋外で飛行させることは、航空法違反として罰則の対象となるため注意が必要です。
なぜ登録が必要なのか?
以下のような「特定飛行」を行う場合には、必ずDIPS2.0を通じて申請・許可を得る必要があります。
- 空港周辺での飛行
- 150m以上の上空での飛行
- DID地区(人口集中地区)での飛行
- 夜間飛行、目視外飛行、イベント上空での飛行など
「自分に必要か?」と迷う方もいるかもしれませんが、現在のルールでは100g以上のドローンを屋外で飛ばすすべてのケースにおいて、このシステムへの登録が法令遵守の第一歩となります。
利用料金について
- アカウント開設・システム利用: 無料です。
- 機体登録手数料: オンライン申請の場合、個人であれば900円です(1機につき)。
- 飛行許可申請・飛行計画の通報: 無料で利用可能です。
3. 【個人向け】アカウント開設の手順と必要書類
個人でドローンを楽しむ方や、個人事業主として登録する場合のガイドです。
必要情報リスト
以下の情報をあらかじめ手元に用意してください。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- メールアドレス
本人確認書類の比較
機体登録時には本人確認が必須です。選択する書類によって完了までのスピードが異なります。
| 書類の種類 | メリット・特徴 | 推奨度 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード / 運転免許証 | オンラインで本人確認が完結するため、開設から登録までが非常にスムーズです。 | ◎ 推奨 |
| 住民票 | 郵送によるやり取りが必要なため、他の方法に比べて登録完了までに時間がかかります。 | △ 注意 |
手順: 公式サイトのトップページから「個人」を選択し、画面の指示に従って情報を入力してください。
4. 【法人・団体向け】アカウント開設の手順とgBizIDの準備
企業や団体としてドローンを運用する場合、個人とは異なる9つの情報項目と「gBizID」の準備が必要です。
必要情報リスト(計9項目)
法人登録には、ソースコンテキストに基づく以下の項目をすべて入力する必要があります。
- 法人番号
- 企業・団体名
- 代表者氏名
- 本店又は主たる事務所の所在地
- 担当者氏名
- 担当者住所
- 担当者部署名
- 担当者電話番号
- 担当者メールアドレス
重要ステップ:gBizIDの取得
法人・団体がDIPS2.0で機体登録等を行うには、本人確認の役割を兼ねる「gBizIDプライム」または「gBizIDメンバー」の取得が必須です。
【専門家からの警告:スケジュール管理に注意】 gBizIDプライムの取得には、申請書と印鑑証明書の郵送提出が必要です。審査から発行までに通常1〜2週間程度かかるため、飛行予定がある場合は、行政上のリードタイムを見越して早急に準備を開始してください。
個人事業主の方へ: 個人事業主は「個人」と「法人」どちらでも開設可能です。屋号で管理したい、または業務で継続的に申請を行う予定がある場合は、事業者名義で一元管理できる「法人」での登録が効率的です。
5. ログインと管理の注意点
アカウント開設後は、以下の運用ルールを厳守してください。
- ID・パスワードの厳重管理: DIPS2.0には自動ログイン機能がありません。ログインのたびに入力が求められるため、適切に管理してください。
- アカウントの削除について: システムの仕様上、作成したアカウント自体の削除は基本的にできません。ただし、機体情報の削除はメインメニューの「登録機体の削除」から可能です。
⚠ ログイン時の注意(Caution) 法人利用者の間で「gBizIDのログイン情報をDIPS2.0のログイン画面に入力してしまう」というミスが多発しています。gBizIDはあくまで本人確認用です。DIPS2.0専用のログインIDとは別物であることを混同しないよう注意してください。
6. 登録後の流れ:機体登録から飛行開始まで
アカウントが作成できたら、実際のフライトに向けて以下の5ステップで進めます。
- 機体登録(100g以上は必須): 登録記号を発行してもらうための手続きです。
- リモートID設定: 登録記号の発行・入金完了後、専用アプリを使用して機体に識別情報を書き込みます。
- 飛行許可・承認申請: 特定飛行を行う場合に必要です。審査には通常10開庁日(土日祝を除く約2週間)かかるため、余裕を持った申請が不可欠です。
- 飛行計画の通報: 特定飛行を行う際、飛行の24時間前までに飛行内容を国に通知します。
- 飛行終了報告: 飛行計画を通報した場合、飛行終了後に速やかにシステムから報告を行います。
7. まとめ:安全な飛行のための第一歩
DIPS2.0の利用は、現代のドローンユーザーにとって避けては通れない法的ステップです。基本は「登録・申請・通報」の3ステップであることを再確認しましょう。
- 登録: 機体そのものを国に登録し、リモートIDを設定する。
- 申請: 特定の場所や方法で飛ばすための許可を事前に得る。
- 通報: 飛行の24時間前までに通知し、終了後に報告する。
法令遵守(コンプライアンス)は、ドローンを安全に楽しみ、ビジネスで最大限に活用するための大前提です。最初は手続きが複雑に感じるかもしれませんが、一つひとつのステップを正確に踏んでいけば、決して難しいものではありません。ルールを守り、安全なフライトを実現しましょう。